保守的で堅い性格の四十二歳のHさんが転職したのは、平均年齢二十六歳、三十五歳以上の社員はHさん一人という、若い企業A社だった。ここ数年のヒット商品のキーワードの一つにレアものというのがある。限定品、あるいは入手困難な品物を持つことが、他人と差別化をはかって個性的であることを主張したい若者にウケて、頻繁に登場するようになった言葉だ。キャリアを他人に羨まれたり、希少性の高いスキルを身につけたりしたいのはやまやまたが、そう世の中がうまく回ってくれるわけでもない。
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それならばまずは一企業の中だけでも、希少と思われる存在になることを心がけてみるのも良いかもしれない。